第15回年次研究発表会 実施報告

第15回年次研究発表会実施報告、5件の論文発表に学会賞を授与

 3月9日(土)、日本MOT振興協会に共催を頂き、「サステナビリティ時代の技術経営」をテーマとして第15回年次研究発表会を東京工業大学大岡山キャンパスにおいて、対面とオンライン方式で実施しました。現地では約50名の出席者を迎えて、若林整・実行委員長(日本MOT学会理事、企画委員長)が司会を務めて、開会のあいさつを朝隈純俊・会長が行いました。
 早稲田大学政治経済学術院経済学研究科教授 戸堂康之様からは「多様なつながりからイノベーション創出」と題する基調講演、三好秀樹氏からは「情報システムプロジェクトの成功の常態化を促進する要因の探索―ユーザー企業の実務的視点から」と題する特別講演、内平直志氏・理事からは「中堅・中小企業のDXが成功するメカニズム」の報告がありました。
 発表セッションでは、企画委員からセッション運営の説明をした後、29件の論文を伴う発表があり、活発な議論が行われました。8名の審査員による厳正な審査の結果、発表論文の中からベストペーパーアワード2件、スチューデントアワード3件の学会賞を選考して、西尾好司・審査委員長(学会誌編集委員長)から表彰を行いました。受賞された皆さま、おめでとうございます。最後に林裕子・副会長のあいさつで閉会いたしました。
朝隈純俊会長 開催のあいさつ

 日本MOT学会会長の朝隈です。
 第15回年次研究発表会の開催に際しまして、ご挨拶をさせていただきます。年次研究発表会はここ数年、新型コロナウイルス感染防止のためにリモートのみでの開催とさせていただいていましたが、世の中もコロナ前の状態に戻ってきましたので5年ぶりに対面での開催とさせていただきました。対面でより議論が深まることを期待しています。一方で、時間と距離の制約から会場での参加が難しいという方にも参加いただけるように、リモートでも繋いでハイブリッドでの開催とさせていただいています。ぜひリモート参加の方も含め多くの方に討議に参加していただければと思います。さて、今回の研究発表会のテーマは「サステナビリティ時代の技術経営」です。「サステナビリティ」という言葉が社会に広がって久しいですが、今私たちは「サステナビリティ」の障害になるような様々な課題に直面しています。また、これからも新たな課題が現れてくることも容易に想像されます。このような状況であるからこそ、改めて「サステナビリティ」の重要性を認識して多種多様な課題に対処し、そして新たなイノベーションを起こしていかなければなりません。そのためにMOT(技術経営)が果たすべき役割は大きいと思っています。
 本日は、様々な切り口から「サステナビリティ」を担保、強化するための発表がエントリーされています。私も発表を聴かせていただくことをとても楽しみにしています。また今回も発表の中で特に優れた発表にベストペーパーアワードを、学生の皆さんの発表においてはスチューデントアワードの表彰をさせていただきます。私からの開会の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

■学会賞表彰

1.ベストペーパーアワード

 学術的に新規性・独創性、実務的に実用性・発展性に富む論文に授与しました。

◆金賞2件
論文名:「異なるエネルギー領域からみたバイオマス由来水素技術の多面的評価」
(著者)奥田 州彦ほか:パナソニックホールディングス㈱
論文名:「サステナビリティ活動を中期事業計画に取り込む必要性について」
(著者)野元 伸一郎:㈱キプランドナップ

2.  スチューデントアワード

 学生を対象に、将来への発展性および潜在性を有する論文に授与しました。

◆金賞1件
論文名:「ゲームMODプラットフォームエコシステムにおける補完者と補完財の特性が補完財のパフォーマンスに及ぼす影響」
(著者)周 瀟霄ほか:東京工業大学

◆銀賞1件
論文名:「大規模言語モデルを活用した気候変動対策技術の導入・普及状況の分析手法」
(著者)山田 健二ほか:東京大学工学部

◆銅賞1件
論文名:「介護施設におけるコンパニオンロボットのTAM」
(著者)大和 信夫ほか:北陸先端科学技術大学院大学


介護施設におけるコンパニオンロボットのTAM